Visible Structures
Still here after eighteen years
Posted on August 11, 2026 / Journal
成り立ちの見えるもの
好きなお店が何軒かあります。普段忘れているけれど、ふとした瞬間に、久しぶりに行ってみようかな、という気持ちになることがあります。引越しを機会にいかなくなったけれど、忘れられないお店もあります。良い思い出として、時々思い出します。
そういったお店は、店を出て街を歩き始めると、訪れる前よりも少しだけ気持ちが軽くなり、新しい気分になれます。買い物をしても、何も買わずにお店をでても、自分の日常や試行錯誤に心地よい影響を与えてくれます。
雑貨屋、飲食店、洋服屋。それぞれに好きな店があります。そうやっていろいろな店で、いろいろなものを買ってきましたが、考えてみると、その多くはもう手元にありません。引越すたび、気が変わるたびに、買い替えたり、手放したりしてきました。残っているもののほうが少ないのですが、そのなかで、ずっと残っているものが、一つだけあります。
18年ほど使っている木の椅子です。好きな雑貨屋で買ったもので、木をシンプルに組み合わせて作られていて、ネジも隠さず見えています。仕組みが、そのまま表に出ている椅子です。
長年使っているので、座るときしみます。この音が、正直、少しわずらわしい。それでも、買い替えようとは思いません。気に入っているから、としか言いようがないのですが、18年、同じ椅子に座り続けています。
ネジも木材の継ぎ目も見えているこの椅子を、ずっと手元に置いています。隠さず、成り立ちの見えるもの。そういうものを、昔からなんとなく選んでいる気がします。
これから何を残して、何を手放すか。自分でも、予想はできません。ただ、手元に残ったものを見ていると、少しだけ、自分のことが分かる気もします。