YOSUKE SUGAWARA
What Makes a Good Camera?
Beyond the spec sheet
Posted on June 24, 2026 / Journal
お勧めできるカメラや良いカメラとは?
お勧めできるカメラや良いカメラとは?
お勧めできるカメラや良いカメラとは?

お勧めできるカメラや良いカメラとは?

お勧めのカメラや良いカメラについて時々聞かれるので、今日は考えてみたいと思います。この質問は本当に答えるのが難しい質問です。いつも答えるのに困ります。簡単そうですが、そうではありません。

画像に写っているのはFUJIFILMのX-Pro3というカメラです。とても気に入っていましたが、一年ほど使って手放してしまったカメラでもあります。デザインも写りも申し分なかったのですが、なんとなくしっくりこなかった。写真愛好家の間でも人気のあるカメラで、正面から見て目立つロゴがないデザインも好みでした。それでも、手放してしまったのです。

デザインは人それぞれ好みがあるので、それはひとまず除いて、良いカメラについて考えていきます。もともと機材にこだわりがないほうですが、それでも自分にフィットしそうなカメラを探して、いろいろと購入してきました。気に入ったカメラも、そうでないカメラもあります。個人的な感覚、相性みたいなものでしょうか。機能やデザインに惹かれても、手に持ったりファインダーを覗いたときにしっくりこないカメラもある。逆に、見た目はあまり好きではないのに、なぜかいい写真が増えている気がするカメラもあります。

重さも大切です。撮影のために一日中歩き回る日もありますが、そんなときは軽ければ軽いほど疲れません。カメラ一台にレンズ数本で、二〜三kgくらいでしょうか。撮影機材というのは結構重いのです。軽い機材は気持ちまで軽くしてくれます。ただ、経験的には、軽いカメラだからといって良い写真が撮れるわけでもありません。良いカメラの条件とは、いったい何なのでしょう。

軽さが重要ならスマホでもいいの?と聞かれることがたまにありますが、スマホはレンズの歪みが強すぎて好きになれませんし、お勧めもしていません。デジタルカメラは、レンズと本体のセンサーが描写して写真データを記録します。センサーはメーカーごとに差異はありますが、大きくは変わりません。写りに大きな影響を与えているのはレンズです。レンズを変えると、写真の印象は大きく変化します。厳密に言うと、レンズそのものにもともと歪みがあります。デジタル一眼レフカメラは、本体が計算して歪みを補正したり、現像時にパソコンで補正したりします。ただ、スマホのレンズの歪みは、パソコンでも戻らない場合が多い。普段スマホで写真を撮るのが好きな方は、じっくりデータを見てみてください。歪みが認識できる写真があるはずです。

それならレンズが良ければ良いカメラなのか、というと、ファインダーも重要です。ファインダーの見え方はカメラの種類によって大きく異なります。これからカメラを購入しようとしている方は、ファインダーの差について調べてから買ったほうが後悔しないはずです。さらに本体の機能を考えていくと、オートフォーカスの速さ、連写枚数、画素数など、さまざまな要素が出てきます。これらはメーカーによって本当に多様です。いざ購入しようとすると、結構複雑な要素を検討しなければなりません。

カメラの基本的な要素について書いてみました。その上で「良いカメラとは?」と考えると、ここまで挙げた要素は重要ですが、良い・悪いにはあまり関係ない気がしています。理由はシンプルです。たとえば写真を始めて数年が経ち、新しく発売されたより高機能なカメラに新調したとします。さらにハイエンドな機種を買っても、写真が劇的に変わるか——というと、変わらないのです。つまり、写真の質や印象はカメラだけでは決まりません。本体の性能だけでなく、光と影の捉え方、構図、撮影方法、被写体によって大きく変わっていきます。デジタルカメラですから、パソコンでの現像も重要です。現像作業もまた、写真に大きな影響を与えます。

こう考えていくと、カメラを人に勧めるのが難しい理由が見えてきます。「カメラが高性能なら良い写真が撮れる」という前提だけで話が進むから、良いカメラについての答えに窮するのです。他の要素も同じくらい重要だからです。もちろん高性能なほうが良いカメラなのは間違いありませんが、その分価格も上がりますし、人に勧めるとなると責任も生じるので、慎重に考えないといけません。

おそらく多くの方が撮ってみたい「良い写真」は、やはりカメラの機能だけでは決まらず、他の要素も多分に影響しています。絶対的に良いカメラというものは、そもそも存在しないのかもしれません。

では、お勧めできる良いカメラは何か? やはり、答えは出ません。けれど一つ言えるのは、自分に合うカメラとレンズを自分で探していくのがベストだということです。家電量販店で実機に触れ、手に持って、ファインダーを覗いて、なんとなくフィーリングの合うものを選ぶ。その過程を辿ることが、良いカメラに出会う唯一の道なのだと思います。